1976年から連載が続いている、青池保子さんの「エロイカより愛をこめて」という漫画。
一言でいうと、世界の諜報部員と泥棒貴族のどたばたコメディ。
キャラクターそれぞれが個性的なうえに、時代背景やストーリーがしっかりしているので、読んでいて楽しい。
この漫画は好き嫌いが分かれると思うけれど、私はこのコミックが大好きで、アメリカにまで持ってきてしまいました。
ところで今日のお話は、その「エロイカ~」の16巻に収録されている「皇帝円舞曲」に登場するキャラクター、CIA要員のアメリカ人ディック・グラント、またの名を「ごり押しディック」についてです。
このディック・グラント、話を一方的にベラベラ主張したかと思うと、よく頭に血が上るのかすぐ手が出たりする。つねに、俺!俺!俺!という感じ。
何故こんな話をするのかというと、少し前に英語のクラスにいたとき、クラスメートの話を聞いていてこのごり押しディックのことをふと思い出したのです。
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その日の授業は、次の課題のessayの題材を決めて、それについて個々にインターネットで情報を集めている最中のことでした。
一人の生徒(女性)が、フードスタンプについて話し始めました。
フードスタンプとは、アメリカ国内で低所得者のために発行している食料品補助システムのひとつ。
Supplemental Nutrition Assisnatce Program (SNAP)というプログラムで、月々決まった金額(大体200ドル前後)をもらえ、乳製品等の健康に良いとされる、プログラムで決められた食品がこのお金で賄えるというもの。
ちなみにこういった扶助プログラムは税金で賄われていて、決められた物以外に使えないことになっています。
彼女はこのフードスタンプをもらっているそう。
フードスタンプやその他の援助システムは、必要な人がもらえばいいし、その彼女も必要なのでもらっているのだから、私がとやかく言うことではない。
しかし、その後の彼女の言葉に耳を疑った。
「私、マクドナルドにも行きたいし、ポテトチップスも食べたい。でもそれにはフードスタンプが使えないのは納得いかない」
と、延々とフードスタンプで買える食品の規制が厳しいか、自由に食品を買えないことへの文句を話していた。
『フードスタンプでは、栄養のある食品を受給者に摂ってもらうっていうのが目的だからね、マックやポテトチップスからは栄養が摂れないでしょう。それに、そのためにルールがあるのであって、規制をなくしたらフードスタンプの意味がなくなるんじゃないのかな?』
と思いつつ、何も言いませんでした。
他にも、自分のテストや課題の点数が思ったより低く、これは先生の判断ミスだ、先生の言ったとおりに課題を仕上げたのに点数が低かった、などと自己判断し(ほとんどの場合、生徒本人の聞き間違いやうっかりミスと思えるものも)、先生に「明らかに先生のミスでこんな点数になりましたよ」と主張して、少しでも点数をもらおうとする生徒も多々見かけた。
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アメリカに住んでまだ5年と少し。
大学に通い始めてちょうど1年になるが、特にここ数ヶ月、どうもこの国に適応できていないと感じていたのだけれど、これがきっかけでどうしてか少しずつわかってきたような気がする。
アメリカ人は、つねに自己主張をしなければならないと思っているのか、とにかく自分の意見が正しい正しくないの判断のは置いておいて、声高々に自分の意見を話す。
たとえそれが正しくなくとも、言わずにはいられないようだ。
大きい声でした主張がとにかく皆に伝わるので、正しくとも皆が聞いてくれないような、聞こえない意見は無視される傾向にあると私は感じる。
大多数が主張すれば、それが正しいのか間違っているのかの判断よりも、その主張が通ってしまい、そのたびに、法律やルールが変わるので、その主張が本当に皆に通用するのか、皆のためになるものなのかという判断は二の次になってしまうような気がする。
そんなことを第三者の目で見ている私は典型的な日本人。
他のアメリカ人のように、人の話を遮って自分の話を始めるのにはいまだ躊躇する。
それに、自己主張の強いアメリカ人の話を聞くのがかなりのストレス(聞きたくなくても耳に入る)。
それを日本にいる妹に話したら、
「お姉ちゃん、それじゃアメリカで生きていけないよ」
わかってる。わかってるんだけれど、身に染みついた習慣というものはそう簡単には変えられないものだ。